ドッグフードの常識 ウソ・ホント

あなたの常識はどこまで当たってる?ドッグフードのウソ・ホント

噂や思い込みで意外に失敗しがちなのが、ドッグフードの選び方や与え方。
あなたの知っているその常識は、本当に正解なんでしょうか?検証してみましょう!

 

手作りご飯より、ドッグフードを食べさせたほうがいい

× 手作りでもOK。
ただし、栄養バランスがよければ。
飼い主の生活スタイルによって、どちらでもOKです。

 

人間は毎日30種類の食物を食べるのが、理想の栄養バランスと言われていますよね。
これは犬にも当てはまることです。良質なドッグフード(総合栄養食であることが重要)であれば、犬にとって必要な栄養素が含まれといるので、毎日バランスのよい食事を取ることができます。
一方、手作りごはんでもちゃんとしたバランスの食事を作ってあげられるのであれば大丈夫です。たとえば、鶏ササミ肉とジャガイモといったものではダメです。これでは必要な栄養バランスがとれません。1日に必要な栄養素の必要量をちゃんと摂取できるごはんを作れる知識があって、手間をかけることができるのであれば是非チャレンジして頂きたいと思います。

 

ドッグフードの場合毎日同じものを与えることになるので、手作りごはんでも同じメニューでもよいです。1週間に一度曜日を決めて手作りごはんを与えてみてもよでしょう。

 

だだやっぱり、手間と食費の面から考えればドッグフードのほうが断然お得。良質なドッグフードを見つけることに手間を掛けたほうがよいのではないでしょうか。

 

 

肥満の犬にはダイエットフードを食べさせれば安心

× ダイエットフード=低カロリーとは限らない

 

パッケージにダイエットの文字があっても、減量用のドッグフードとは限りません。
たとえば、「メンテナンス・ダイエット」と表示されたドッグフードは一見、太っている犬を痩せさせる目的のフードと思いがちです。しかし、「Diet」とは英語では「栄養バランスの良い」の意味になります。ようするに、「メンテナンス・ダイエット」というのは、成犬の健康維持を目的としたフードで、成長期の犬を育てるのに必要な栄養素を含んだドッグフードです。

 

肥満の犬を痩せさせる目的であれば、パッケージに書かれている100グラム当たりのカロリー量を確認することが重要です。
減量用フードと明記されているドッグフードの場合も、100グラム当たりのカロリー量を確認するようにしてください。それぞれのメーカーにより減量用のカロリー基準には違いがあります。

 

子犬には子犬用、高齢犬にはシニア用のフードを食べさせたほうがいい

 犬も年齢によって必要なカロリー量は違う

 

その犬に必要な栄養素の量は、基本的に年齢によって違ってきます。
子犬は人間に比べると20倍以上の速度で成長して大人になります。そのことから、それだけ子犬の時期には栄養素の要求量が高いことがわかります。子犬用のドッグフードには、成長段階に必要なタンパク質、カルシウムなどの栄養素が必要量含まれているので、子犬の時期には与えたほうがよいでしょう。
そして、高齢期の犬は、若いころに比べ、必要とするカロリー量が当然少なくなります。胃に負担のかからない消化吸収がよく、体重が増えて足腰に負担がかかることがないように、カロリーを抑えたシニア用ドッグフードがベストです。

 

子犬の食事は1日3回、成犬は1日1回食事を与える

× 生後3ヶ月までは4回、6ヶ月までは3回、それ以降は1日2回

 

生後3ヶ月までは4回、6ヶ月までは3回、それをすぎたら1日2回の食事にしましょう。10歳を過ぎた高齢犬には1日3回から4回に分けて食べさせるのがいいでしょう。
絶対にしてはいけないのが、1日1回にすることです。ドライフードはお腹の中に入ってから水分を含むと当然ふくらみます。1日分の量を1度にとると胃が膨らみすぎてしまいます。そして空腹になると膨らみすぎた胃がゆるむことになります。毎日これを繰り返すと胃が伸びて突然、腸捻転をおこすことになります。腸捻転は胃がねじれることで、ショック状態を引き起こして数時間で死亡してしまう恐ろしい病気です。特にレトリバー種などの胸が深い犬種は腸捻転になりやすので注意が必要です。

 

高齢犬の場合は、若いころに比べ胃や腸の働きが落ちていますので、できるだけ負担がかからないように1日3回程度に分けてあたえるのがよいでしょう。

 

体臭・毛質はドッグフードを替えればよくなる

× 食べ物以外にも別の原因が考えられる

体臭は体質の問題もありますが、ドッグフードよりもまず、犬が健康であるかが重要です。
歯周病や外耳炎などが悪臭の原因になっていないかをまずチェックしましょう。体臭の約8割がこういった病気が原因となっています。
体臭のもととなる主な原因として次のものがあります。

外耳炎 耳ダニ症 脂漏性皮膚炎 急性湿疹 皮膚糸状菌 肛門嚢炎 歯石 口内炎 歯肉炎

 

毛ツヤは必須脂肪酸などの良質の脂肪分不足で悪くなることがあります。
肌がカサついていたり、毛ツヤが悪いときには、小さじ1杯程度の植物性油をドッグフードに足してみると改善することもあります。

 

ドックフードを替えることを考える前にまずは愛犬の健康チェックをしてみてください。

 

アレルギー体質は食事で必ず改善できる

× アレルギーの種類によって、対応策は違う

 

犬のアレルギー症状は、ほとんどが皮膚のかゆみとなって現れます。
アレルギーといっても、その原因はさまざまです。もちろん食べ物が原因となるものもありますが、ハウスダストやダニなどさまざまです。まず大事なことは、アレルギー症状を引き起こしている原因がなににあるかを特定することです。
アレルギーの種類としては次ものがあります。

ノミアレルギー性皮膚炎 アトピー性皮膚炎 食物性アレルギー 
薬疹 腸内寄生虫過敏症 ホルモン性アレルギー 接触性皮膚炎 
細菌過敏症

 

アレルギー対応のドッグフードが有効なのは、食品アレルギーの場合のみです。それ以外が原因となる症状については、まったく効果はありません。
ただ、犬のかゆみ症状は食品添加物を取り除くことで軽減できるとの研究結果もあるため、食品添加物の入っていないドッグフードであれば、アレルギー症状を治すことはできませんが、かゆみや炎症の度合いをそれ以上上げない効果は期待できます。

 

食品アレルギーで多いのは、牛乳、牛肉が原因で反応するケースです。アレルギー対応フードはそれらのタンパク源を鶏肉に変えてつくられています。また、アレルギー疾患の予防効果がある玄米を原料に使っているものがほとんどです。ただし、日本犬の場合、米アレルギーの犬が多いです。アメリカやヨーロッパで作られているアレルギー用フードは、米入りのものが大半なので、パッケージラベルをよく確認してください。

 

また、パッケージに書かれているオメガ3、オメガ6といった脂肪酸は皮膚の炎症を和らげる作用があります。

 

ウエットフードよりドライフードのほうがよい

× 栄養バランスの点では、どちらを食べさせてもいい

 

栄養面ではどちらもバランス良く作られているので、どちらを食べさせても問題はないです。
なにが違ってくるのかといえば、歯の健康を考えれば、より硬いものを食べさせたほうがよいといえます。ただし歯周病の原因となる構内細菌の繁殖は食事よりも体質が大きく影響するので、ドライフードを食べているから歯周病にならないと考えるのは間違いです。

 

歯周病の原因はドックフードのせいではなく、デンタルケアをしていないからというのがほとんどです。歯の健康維持には日常のケアが重要です。

 

卵白は消化できないから与えてはいけない

× 卵白は消化できないのではなく、大量に食べるとダメなだけ

 

犬にとって絶対にダメな食べ物が、タマネギ、長ネギなどのネギ類です。

 

なぜかというと、ネギの成分が犬の赤血球を破壊してしまうからです。他にも、割れた骨が内臓にささるということから鳥の骨や、刺激の強い香辛料など犬にとってよくない食べ物があります。ヨーロッパではブロッコリーなどアブラナ科の野菜が犬にはよくないと言われています。

 

微妙なのが卵です。黄身は問題ないけど、白身は体によくないから与えてはいけないという説があります。しかし、現在のドッグフードには全卵が使われているのもが多くあります。卵の白身にはアビジンという物質が含まれています。そのアビジンが、ビチオンというというビタミンが作られる素と結びつき壊してしまうため、よくないといわれているようです。しかしアビジンのビチオンとの親和性は調理によって破壊されるため、生の白身でなければ問題はないようです。よってたくさん与えなければ特に問題はないとおもいます。

 

犬は肉食。だから赤身の肉や鶏のササミをたくさん食べさせてあげる

× 肉食動物といっても、肉だけ食べているわけではない

 

肉食動物は捕らえた獲物の肉から内臓まで全部食べます。獲物となった草食動物は胃の中に草が入っています。だからそこから食物繊維を取り、そして血液には塩分が含まれているので塩分補給もできることになります。

 

こういったことから、肉食動物でも単に肉だけを食べているわけではありません。
犬だって食物繊維、ビタミン、カルシウムなどバランスよく取る必要があるのです。

 

また今のドッグフードは高タンパク、高カロリーのものがほとんどで、脂肪分が多く、それが原因で胸焼けをおこすことがあります。そんな時は少し野菜を混ぜて与えるのもよいでしょう。
減量が必要な犬にもドッグフードの量を減らしその分野菜を混ぜることで物足りなさを減らすことができます。

 

やっぱりカルシウムが一番大事。カルシウムが多いものを食べさせる

× カルシウムは与えすぎるとかえって悪い影響がでる

 

カルシウムが犬にとって必要なことは事実です。人間が必要とするカルシウムも14倍もの量が、犬には必要なのです。
どのドッグフードにもパッケージに書かれているように、必要量のカウシウムが含まれています。ですから、ドッグフードに付加する形でカルシウム錠剤などを与える必要はありません。あえて与えるなら、煮干などの天然由来のものにしたほうがよいでしょう。

 

一番注意しなければならないのは、子犬の時にカルシウムを必要以上に与えてしまうことです。骨作りにカルシウムは必要ですが、必要以上に与えることで骨の成長が急すぎてしまい間接の病気の原因になってしまうことがあります。これを避けるためにも子犬へのカルシウムの与えすぎには注意が必要です。

 

成犬の場合は、カルシウム錠剤など薬剤を過剰摂取させない限り大きな障害がおきることはありませんが、時に下痢や便秘の原因になることもあるので注意してください。カルシウムは過剰に摂取するとお腹のなかで固まってしまうことが多く、このようなことがおこるからです。

 

ブリーダーにすすめられた、母犬と同じドッグフードが一番いい

× その犬に合うものをいろいろ試してみてもOK

 

子犬をブリーダーからもらってくる時、その犬が今まで食べていたドッグフードをもらってきたり、同じものを食べさせるのは正解です。
でもそれは最初の2週間ぐらいまでのことです。それ以降はドッグフードについて積極的に情報を集め、あなたなりの考えで、犬のために最良のドッグフードを見つけてあげてください。
もちろん母犬が良質のドッグフードを食べていたのであればそのままでよいでしょう。でも、母犬と同じドッグフードにこだわる必要はぜんぜんありません。

 

新しいフードに切り替えていくときの与え方は、新しいフードを少しずつ混ぜていき徐々に新しいフードの量を増やして、いきます。警戒心の強い犬はいきなりドッグフードが変わると食べなくなることがあるので、注意しながら切り替えていきます。まったく気にせず食べてくれる犬もいるので抵抗がないようであればすぐに切り替えても大丈夫です。

 

ドッグフードは一度決めたら替えずにずっと同じものを与え続ける飼い主もいますが、犬の状態に合わせ、常に最良のドッグフードについて情報を集め、試してみるのがよいのではないでしょうか。