犬の味覚

犬の「おいしい」って、どういうこと?

犬が好きな味ってどんな味?
犬の味覚はどの程度発達しているのでしょうか?こんなこと考えたことありますよね。

 

味はご存知のように舌で感じる感覚です。舌の表面には「味蕾:みらい」といわれる味を感じる小さな器官がたくさんあります。
舌の場所によっても感じ取ることができる味の種類が違ってきます。

 

犬も人間もこの構造は、ほとんど同じです。
でも、犬特有の人間とは違った特徴もあります。
犬は舌全体で酸味を感じることができます。また、犬は甘みを感じる味蕾の数が一番多く最も強く感じることができます。
逆に塩味については、感覚がほとんど失われているといわれています。

 

しかし、強く感じるもの=好きとはいえません。
甘いものは好きだけど、塩辛いものも好きで、すっぱいものや苦いものは嫌いな傾向にあります。

 

犬の味覚は人に比べるとかなり鈍感で、人からしたらほとんど無いといってもいいかしれないほどです。
犬は味よりも発達した鼻から感じる「におい」を重視していて、「おいしい」「おいしくない」を判断しているのです。

 

いくら甘いものが好きだといっても、好きなものばかり与えていては、栄養バランスが悪くなってしまうので注意してくださいね。

 

 

犬はどんな食感が好きなんだろう?

犬には歯応えに好き嫌いはあるの?
実は、食感についての好みはそれぞれの犬によって違います。
ただし、硬さについてはやはり食べやすい柔らかなものが好きなようです。

 

成長期の歯が生え変わる時期などは、硬いものを好んでハリバリと喜んで食べたりします。
成犬になっても、ガムなど硬いものを噛むのが好きだったりしますが、これは食べ物というより玩具として好きといえます。

 

柔らかい食べ物を好む傾向にありがちですが、歯垢の除去や顎の発達のためにも、柔らかいウエットフードよりも硬いドライフードのほうがよいといえます。

 

 

犬はどんな「におい」が好きなんだろう?

犬の好きなにおいってどんなにおい?
みなさんもご存知のように、犬は臭覚がとても発達しています。一説では人間の100万倍とも言われています。
これは、食べ物の好き嫌いには大きく関係してきます。味覚については劣る犬は、「におい」による感覚を重要視しています。
それが食べられるものか、あるいは好きな食べ物か嫌いな食べ物かを判断するときに臭覚がはたす役割はとても大きいものです。

 

犬の舌の構造は、それほど人を変わらないものですが、鼻の構造は大きな違いがあります。
「におい」は鼻のなかの「嗅上皮:きゅうじょうひ」という部分にある臭細胞によって感じることができます。この細胞の面積が広いほど臭覚がするどくなるのです。
犬はこの面積が人の数十倍も広いのです。

 

臭覚の感覚が高いということは、裏を返せば強い「におい」に弱いということです。だから、犬はツーンとするような刺激臭が嫌いです。
一方、大好きなのは、腐敗臭です。特にタンパク質の腐った「におい」が好きです。チーズのにおいがそれです。

 

ドッグフードの「におい」はどうでしょうか。
ドッグフードはさまざまな肉や野菜を混ぜることで犬が好む「におい」を出す努力がされています。ここで香料が使用されるのですが、良質なドッグフードは、香料や着色料に頼らずに、素材自体の組み合わせで犬が好きな「におい」を高めています。

 

犬は視覚で「おいしい」って感じるの?

人が「おいしい」と感じる要素で、目からの情報は大きなものがあります。味覚より視覚による影響が大きいといわれます。

 

犬はどうでしょう。
犬は色を見ることができないとされています。だから、食べ物を色によって「おいしそうだ」とか「まずそうだ」とかは思いません。

 

ドッグフードも人から見れば赤っぽいもののほうが、おいしそうだと思ったりしますが、犬にとってみれば関係はないのです。
ドックフードのメーカーも色に関してはあまり努力、工夫は行っておりません。もちろん、ドッグーフードを選ぶのは人ですら、人から見ておいしそうなほうがよいとは考えてはいますが、フードとしての重要度は低くなります。さまざまな色のドッグフードがありますが、それは素材の色がそのまま出ているだけなのです。

 

しかし、色はわからなくても、濃淡は判断できます。当然形はわかります。
その視覚情報と記憶、経験を結びつけることで「おいしい」と感じることはあるでしょう。

 

犬も経験が嗜好に影響する?

おもちゃに「におい」が付いていたら、犬はそれを食べ物とおもって食べますか?
これについては、食べるもいるし、食べない犬もいます。
では、この違いはどこからくるのもでしょうか?

 

犬の食に対する傾向は、過去の経験によって変わってきます。
犬は生後4ヶ月までは急激に成長するので、この時期に多くのカロリーを必要とします。成長期にひもじい思いをした犬は食べ物に対して、貪欲になる傾向にあります。そのような犬は、「何でこんなものまで!」と人が思うものまで飲み込んでしまったりして困らせます。

 

もちろん成長期の経験がすべてではありませんが、拾い食いや食糞などの問題は、成長期の食生活が大きく関わっています。