犬に必要な栄養素

アミノ酸
犬にとってタンパク質はとても重要な栄養素です。タンパク質は筋肉を構成するための重要な成分ですので、成長期にはたくさん必要になります。また、犬は人間の3倍以上タンパク質が必要といわれます。ですので、人間と同じ食事ではタンパク質が不足することになります。タンパク質はたくさん量を与えればよいわけではなく、その成分であるアミノ酸の質が重要です。タンパク質は消化されアミノ酸に分解され吸収されます。吸収されたアミノ酸は変換され別の形のアミノ酸になって利用されます。
しかし、アミノ酸のなかには変換により体内では精製できない必須アミノ酸といわれるものがあります。必須アミノ酸は食事からしかとることができないものです。犬には12種類の必須アミノ酸があります。犬の食事としてタンパク質を与えるには、この必須アミノ酸が必要量含まれている必要があるのです。犬が動物性タンパク質の吸収がすぐれているのは、植物性のタンパク質よりもアミノ酸の種類と量のバランスが、犬にむいているからです。

 

脂質も必要
肥満の原因と敬遠される脂質ですが、実は必須脂肪酸といわれる体には必要な働きを助ける栄養素の供給源やビタミンの血液循環の役目をもっています。必須脂肪酸も体内では作ることができず、食事からのみとることができる栄養素です。犬の場合の必須脂肪酸はリノール酸です。
その他にも、脂質はエネルギーへの変換効率がよいので成長期や授乳期などの多くのエネルギーが必要なときにカロリーをあげるのに有効です。またドッグフードのをよくする効果があり、そういった意味からも必要な成分といえます。

 

ビタミンとミネラル
ビタミンは体のさまざまな機能のために欠かせない重要な栄養素です。犬にとって必要なビタミンは最低でも11種類です。ビタミンには水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンがあります。それぞれ、水にとける性質と油に溶ける性質をもったものです。脂溶性ビタミンは体内では脂質と結びついて一緒に蓄積され、必要な量をそこから使うことができます。一見便利なようですが蓄積量の限度を超えると中毒をおこすなど体に悪影響をもたらします。
一方、水溶性ビタミンは必要量以上とっても余分な量は尿として対外に排出されてしまい過剰に摂取しても比較的安全といわれています。ただし、体内に蓄積できないため、必要量を常に食事からとる必要があります。また、ビタミンはある種類のみ多量にとるなどバランスを崩すことは害となるので、注意が必要です。
ミネラルについても同様のことがいえ、カルシウムとリンの関係ではカルシウムがリンの1.5倍程度であるのがよい状態であるなどバランスが重要となります。カルシウムやビタミンは非常にバランスが重要ですので、偏った摂取に注意する必要があります。サプリメントを与える場合は、よくバランスを考えてから与えるようにして、迷ったらやめるほうが無難です。