年齢別フード

年齢別フード

ドッグフードは子犬が生まれた日から、年をとって亡くなるまで、すべての年齢の犬に準備されています。また病気の場合や、肥満など体のコンディションによっても準備されています。これらのフードは成分を考えればいろんなケースに使えます。たとえば、子犬用を食欲のない成犬にも使うこともできます。

 

●ミルク
人用と犬用のミルクの一番の違いは、乳糖をふくんでいないことです。犬用のミルクは人用に比べ、糖分が少なくタンパク質などが多くなっています。ミルクも粉と缶入の2種類があります。ミルクの缶に使い方が書いてありますが、これはあくまで標準です。弱っているときは薄くして、少し糖分を混ぜるなどするとよいでしょう。とくに子犬が来てすぐはストレスが加わり、低血糖になりやすいのでブドウ糖を混ぜてあげます。逆に大型犬などのばあい消費量が多いので、生の卵を混ぜるなどするとよいでしょう。

 

●離乳食
フレーク状の水に溶かすものや、缶などがあります。離乳の時期は状況によって異なりますが、3週間目が目安です。パピーフードなどお湯で柔らかくして食べさせることがありますが、水分が多すぎて充分カロリーをとることができないことがあります。人間用の離乳食を使うこともありますが、草食から雑食になった人間ともともと肉食だったが雑食になった犬との違いから、やはり人間用のものではバランスがとれずおすすめできません。

 

●子犬のフード
パピーフードといわれるもので、高栄養、高ミネラルになっています。ドライフードでは粒が小さく、最初のうちはお湯に浸し柔らかくしてからあげます。大型犬の場合はそのままでも食べられることもありますが、最初は柔らかくしてあげたほうが良いでしょう。小型犬の場合は7〜8ヶ月になると成長がとまりますが、大型犬の場合は1年から1年半まで体は大きくなり体重が増加していきます。体重のの増加があるこの期間は子犬用のフードをあげましょう。子犬は必要とするカロリーの摂取するためには、食事の回数も多く必要です。これは、まだ胃小さいため一度に食べられる量が成犬にくらべ少ないためです。

 

●成犬のフード
成犬用のドッグフードは、犬種や飼育環境によりさまざまな種類があります。一般的には、動物の必要とされるカロリーは体重によって計算されますが、正確には体の表面積をもとに計算します。表面積は体重が少ないほど1キログラムあたりの必要カロリーは多くなります。犬は人間と違い体重の範囲が広いため
体重による計算では誤差が大きくなってしまいます。そのため、高カロリーの小型犬用フードがあるのです。そのほかにも、作業用犬や寒冷地での飼育など高カロリーが必要な場合もあります。

 

●老犬のフード
子犬から成犬の移行ははっきりとわかりますが、成犬から老齢期への変化ははっきりした指標となるものがありません。犬種、個体差がかなりあるので、犬年齢だけで判断することは注意が必要です。老犬用フードとしては、タンパク質を制限していることが特徴です。まずは、動物病院等で健康診断をしてから老犬用に切り替えるようにしましょう。

 

●高カロリーフード
アジリティーやフライングディスクなどのスポーツ犬または、雪の中でのレース、作業など多くのカロリー消費をする場合は、当然のことながら高カロリーフードを与えます。逆に、肥満用の低カロリーフードもあります。

 

●病気療養フード
動物病院では、さまざまな療養用フードを置いています。病気になったばあいは、やはり病気にあった療養フードを与えることになります。ただし動物病院で渡されたフードを食べないばあいも多くみられます。今までのフードに少しずつ混ぜるなど、工夫が必要になりますが、どうしても食べないときは動物病院に相談し
別メーカーのものに切り替えてもらうようにしてみましょう。ほとんどのタイプを複数メーカーで販売しているので、いろいろ試してみる必要があります。

 

●トリーツ
トリーツとはしつけのために使用する「ごほうび」です。おやつをトリーツとして使用するときは、過剰に与えることによる肥満に注意が必要です。
あくまで「ごほうび」として適量を与えるようにしてください。主食になるような与え方をするとバランスよく栄養を摂取できず病気の原因となります。

 

●サプリメント
総合栄養食の表示があるドッグフードを与えているのであれば、基本的に栄養補助食品としてのサプリメントは必要ありません。
しかし、小型犬に多い肉食過多による栄養バランスの崩れや、大型犬に低品質なフードからの栄養不足などを補うために一時的に与えるばあいがあります。また、犬種固有の引き起こしやすい病気などの予防するものなどもあります。肉食過多の小型犬など、ささみしか食べない、肉以外を食べないなどの場合、リン過多になるのでカルシウムが不足することになります。また、摂取ビタミンも不足するため、犬用のカルシウムやビタミンは必需品といえます。

 

●大型犬とカルシウム
成長の早い大型犬はカルシウム不足に陥りがちなので、フードへのカルシウム添加をおこなうことがあります。ただし、与えているドックフードに充分なカルシウムが含まれていると、カルシウム過多となり関節の発育に悪影響を与えます。品質の低いドライフードには必要以上のカルシウムが含まれていることが多く、安易なカルシウム添加は大変危険ですので注意が必要です。

 

●皮膚病予防
皮膚病の恐れがあるばあいに、ビタミンEや脂肪酸n6、n3の抗炎症による予防効果のために添加します。皮膚の強化のためのリノール酸やy−リノレン酸などもあります。

 

●関節疾患
グルコサミン、コンドロイチンなど軟骨成分を含むドックフード、錠剤などがあります。

 

●消化器系
良質の腸内細菌のためにビフィジス菌やオリゴ酸などを与え腸の調子を整えます。ドックフードに含まれているものも多く、錠剤も多くの製品があります。

 

●カロリー摂取
病気などの理由で食欲不振の場合に、脂肪酸やビタミンなどを含んだ食べやすい形状のものが動物病院などで提供されることがあります。