ドッグフードの品質と安全性

メーカーの選択

良いドックフードをどのように選んだらよいのでしょうか。
ドッグフードの品質や安全性は、外見からはわかりません。私たちが判断する手がかりになるのがパッケージです。パッケージには製造元または販売元とラベルが表記させています。商品ラベルからは、生産国、原材料、添加物などの情報を得ることができます。信頼できるペットフードメーカーは安全な原材料を厳選して、安全な加工工程と品質基準を設けています。さらに商品の保管基準、輸送基準も設け品質と安全のため対策を講じています。獣医師や専門家が推奨するメーカーの製品を選ぶことは、ひとつの基準になります。ペットフードの品質と安全は情報を入手することが重要です。ペットフードのラベルは製品に関する重要な情報が記載されています。ラベルの読み方を知り情報を読み取りましょう。ラベルに記載された必要最低限の情報以上を知るためには、メーカーが発行しているパンフレットやホームページなどを参考しましょう。さらに直接問い合わせ窓口に聞いてみるとより詳しい情報が入手できます。対応の仕方で良心的なメーカーであるかの判断基準にもなります。

 

ドッグフードの栄養

たとえ安全で品質の良いドッグフードであっても、それが愛犬の栄養要求を過不足なく満たしているものでないと犬の健康を維持することはできません。フードの栄養特性が愛犬に適切かどうかもラベル表示から読み取ることができます。アメリカでは国の規則としてペットフードに「栄養適正性」に関する表示とその証明をラベルに記載することが義務付けられています。勝手に「総合栄養食」やこれに相当する表現を使用して良いわけではありません。「総合栄養食」の表示を用いる場合、メーカーはその表現がどのライフステージに当てはまるのかを、その証明方法とともに特定する必要があります。日本においてもほぼ同様な基準を作っています。ですから、ペットフードのラベルをよく読み「総合栄養食」であることを確認して与えましょう。

 

犬の栄養

犬はもともと肉食性で今は雑食性
「猫は本籍も現住所も肉食性だが、犬は本籍は肉食性でも現住所は雑食性である」と言われます。犬は今では雑食性でいろいろなものを食べます。猫は必要な栄養素や消化の仕組みから、犬にはない肉食性としての特徴が見られます。人間も雑食性ですが、同じ雑食性といっても犬の必要とする栄養素の種類や量にはずいぶん違いがあります。ですので、人間と同じ食事を与えていては犬の健康を維持することはできません。

 

犬に必要なエネルギー

一般的に動物のエネルギー必要量は、体重あたりの体表面積に比例します。体表面積が大きいほど必要エネルギー量は増えるのですが実は体の小さい動物ほど、体重あたりの体表面積は大きくなります。人間とくらべるとよくわかりますが、犬の場合は犬種による体重の差が大きく、チワワ2kgからセントバーナードの65Kg以上までその体格さは大きな差があります。チワワとセントバーナードでは必要エネルギーの観点からは別の動物と考えたほうがよいほどです。小型犬ほど、たくさんのエネルギーを必要とし、カロリーの高いドックフードが必要となり、大型犬になるほど、その必要性が低くなっていきます。犬種別フードなどは、この点を考慮した成分配合によりコントロールされたドックフードなのです。

 

季節によるエネルギーの違い

犬も夏の暑い季節には食欲も落ち、運動量も少なくなっていきます。日中はまったく動かないこともあるのではないでしょうか。逆に冬の寒い日などは、体温維持のため多くのエネルギーが必要となり、夏場の1.5倍ともいわれます。このように季節により必要とされるエネルギー量は思ったより差が大きいことがわかります。冬場には夏場より高カロリーの食事が必要となるのです。

 

エネルギーとなる栄養素

エネルギー源となる栄養素を考えると、脂質、タンパク質、糖質となるでしょう。最も効率よくエネルギー変換するなら脂質ですが、肥満の原因になりやすくドックフードでは、エネルギー減としてはあまり使用されません。もちろん脂質も大切な栄養素であることには違いありません。タンパク質と糖質を比べた場合に、犬はもともとが肉食性のために、肉に含まれるタンパク質を消化するのが得意です。人間の場合は、糖質を消化するほうが得意で、タンパク質だけでエネルギーをとろうとすると体に負担がかかることになります。
人間は必要エネルギーの半分以上を糖質から得る必要があります。犬の場合は人とは逆で、糖質から得るエネルギーは全エネルギーの半分以下がよいでしょう。穀物や野菜などで糖質を与えるばあいは消化を助けるためにも、加熱調理し細かく刻むなどして与えるようにしましょう。